一般に仕事は、業種や規模の大小にかかわらず、計画して、実行して、チェックして、フィードバックする、(PDCA)の繰り返しなので、プロセス群の間に順序性があるのは自然です。実は、計画プロセス群の中にも順序性のあるプロセスが少なからずあります。PMP試験でも、次のアクションを尋ねる問題としてよく出題されています。これらの問題については、各プロセスの構造とつながりを理解し、アウトプットされる成果物がインプットとして次のプロセスに引き継がれる様子をイメージします。
いつもの業務と関連付ける
PMBOK(R)第6版における知識エリアの各プロセスは相互に影響し合っていますが、その中でも、各プロセスに明確な順序性を持つものがあります。
「スケジュール作成」は、多くのインプットを持つタフなプロセスですが、主なインプットは次の4つ(のグループ)です。
(1)アクティビティ・リスト/アクティビティ属性/マイルストーン・リスト
(2)プロジェクト・スケジュール・ネットワーク図
(3)資源要求事項/資源カレンダー
(4)所要期間見積り
スケジュールを検討する時には、誰でも次のような項目を順番に検討するのではないでしょうか。
スケジュールの単位となる作業や仕事の一覧
⇒それらを実行する順番
⇒その作業を完了するのに必要な人数
⇒その人数を前提とした時に完成までに必要な日数
上記(1)~(4)は、それぞれ、
・アクティビティの定義
・アクティビティの順序設定
・アクティビティ資源の見積り/資源の獲得
・アクティビティ所要時間の見積り
という各計画プロセスのアウトプットに対応しています。
スケジュール・マネジメントなどの順序性のある知識エリアのITTOの覚え方としては、まずは、いつもの業務を思い浮かべて「作業に必要なインプット文書」、「作業の目的であるアウトプット文書」に置き換えてみることがポイントです。
こうすることで、ぱっと見、無味乾燥なインプットとアウトプットの文字列が、意味をもって立ち上がります。プロセス毎のインプットとアウトプットの名称を全て暗記する必要はありません。
前のプロセスからのアウトプット繋がりで思い出す
順序性のあるプロセスの各項目は、関連する知識エリアの各計画プロセスのアウトプットをプロセスと紐つけてその意味まで一緒に覚えることで、記憶をいっそう確かなものにすることができます。
上記の例では、「スケジュール作成」プロセスの以下のインプット項目を覚える時には、それらの文書を吐き出すプロセスを一緒に覚えてしまいます。つまり、それらの文書がどのプロセスからアウトプットされているのかを確認します。
(1)アクティビティ・リスト/アクティビティ属性/マイルストーン・リスト
(2)プロジェクト・スケジュール・ネットワーク図
(3)資源要求事項/資源カレンダー
(4)所要期間見積り
上記の(1)~(4)4つのグループをアウトプットするプロセスは以下です。
(a)アクティビティの定義(スケジュール・マネジメント・プロセス)
(b)アクティビティの順序設定(スケジュール・マネジメント・プロセス)
(c)資源の獲得(資源マネジメント・プロセス)
(d)アクティビティ所要期間の見積り(スケジュール・マネジメント・プロセス)
順序性のあるプロセスは、その順序性(前のアウトプットから次のインプットに繋がる流れ)を意識することで、全体の記憶を呼び起こすきっかけに使うことができます。
イメージで記憶する
イメージも重要です。文字ではなく絵で構造を記憶に焼き付けます。プロセスの位置やプロセス間の矢印の方向は何回も見てイメージできるようにしておきましょう。参考までにPMBOK(R)第6版スケジュール・マネジメントの知識エリアの全てのプロセスダイアグラムを以下に貼り付けておきます。
【2020版】ITTO_6.1_スケジュール_スケジュール・マネジメントの計画【2020版】ITTO_6.2_スケジュール_アクティビティの定義
【2020版】ITTO_6.3_スケジュール_アクティビティの順序設定
【2020版】ITTO_6.4_スケジュール_アクティビティ所要期間の見積り
【2020版】ITTO_6.5_スケジュール_スケジュールの作成
【2020版】ITTO_6.6_スケジュール _スケジュールのコントロール
2020.6.1 更新