ITTOの真ん中の「TT」は Tools and Techniquesの略。インプット、アウトプットとともに、頻繁に出題される項目です。49プロセスのすべてで、ツールと技法が使われています。最初に試験準備を始めた時には、ツールと技法の、あまりの数の多さに今後の不毛な暗記作業を想像して涙目になった人も多いのではないでしょうか 。

以下、最速合格のヒント、というほどのものではありませんが、できるだけ手間をかけずに、合格ラインに届く高得点を狙うための注意点を4つ。以下「技法」は「ツールと技法」のことです。

「技法」 はプロセス名と紐付けて暗記する必要はない

〇〇プロセスで使う技法は何か?と直球で聞く問題は1つも出ません。前項Mike Griffiths さんの図のとおり、PMP®試験では、Recall(暗記型)の問題がほとんどないため。むしろコンテキスト(業務シナリオや状況設定)を前提に、プロジェクト・マネジャーとして、この場合にあなたが選択すべき最も適したツールと技法はどれか、と尋ねる形式が多いです。 なのでやみくもにプロセス名とツール名、技法名を紐つけて暗記するのは学習効率が悪すぎます。

知識エリア毎に業務の中の使われ方に注目

正確にいうと「知識エリアの、各フェーズ毎に」。例えば、

・企業買収によるシステム統合で、あなたは、プロジェクトのキック・オフ前にみんなに説明するためのプロジェクト憲章を作ることにした。どんなツールや技法が使えたっけ・・

・役員に、システム更新の予算について承認してもらいたい。けど、最終利益見通しと算出根拠を聞かれることはわかってる。つっこまれないように、できるだけ正確で根拠がしっかりした見積りを作っておきたい。どんな見積手法を使っておけばいいかな・・

・結合テスト結果報告書に基づいて顧客にリカバリ案件のプロダクト品質状況の説明をすることになった。品質がいいのか、悪いのか、メトリクスを使ってできるだけリアルな説明をしたい。絶対おとせない品質指標は、これとこれだな・・

・前回の要件定義の打合せで、顧客業務についてインタビューしたが、チンプンカンプンだったので、この業界に強いA氏を助っ人に頼むことにした。これって「専門家の判断」だよね・・

要するに、ツールと技法の名称をひたすら暗記するのではなく、業務シナリオや、目的とセットにして覚えましょう、ということです。自分の仕事にひきつけて、想像します。調達の計画時にどんな技法が必要?なんのため? 品質管理の実行時にはどんな技法が必要?なんで?どんな業務で?プロジェクトの着地原価予想するときは?なんでその技法?それを使うと何がうれしいの? ていうか、 いったい、この技法を使って俺は、私は、、ここで何をしたいのだ?

重要な「技法」はじっくり丁寧に時間をかけて理解する

重要な技法とは、端的に言えば出題比率が高いツールと技法のこと。特に、品質管理やプロジェクトのパフォーマンスの評価で使う「技法」については、キーワードを暗記して済む内容ではありません。受験テクニックは一旦忘れて、自分が納得するまでじっくり取り組む必要があります。

とはいっても、忙しいので、やはり最短距離を探します。答えは、テスト・ファーストで。問題集の良いところは、どこが勘所が、ズバリ教えてくれる点。分厚いPMBOK® ガイドを頭から読んでいっても、無駄とは言いませんが、なかなか頭に入りません。まず、問題を解いてみて、どこが試験で狙われるポイントなのかあたりを付けて、そこを重点的に攻めます。

「プロセス・ダイアグラム」で俯瞰して全体を見る

知識エリアごとに表やリストにまとめておくと、俯瞰してみる時に分かりやすく、試験直前のチェックでも非常に効率的です。常にそこに戻って確認するくせを付けます。特に狙われるキーワード(技法)にはアンダーラインやマーカーで自分の注意を惹きます。学習教材は自作がベストです。が、参考に豆検のプロセス・ダイヤグラムのpdfを貼っておきます。


【統合マネジメントのツールと技法】

【2020版】ITTO_0_全体図_04_統合マネジメント_ITTO

【スコープ・マネジメントのツールと技法】

【2020版】ITTO_0_全体図_05_スコープマネジメント_ITTO

【スケジュール・マネジメントのツールと技法】

【2020版】ITTO_0_全体図_06_スケジュールマネジメント_ITTO

【コスト・マネジメントのツールと技法】

【2020版】ITTO_0_全体図_07_コストマネジメント_ITTO

【品質マネジメントのツールと技法】

【2020版】ITTO_0_全体図_08_品質マネジメント_ITTO


(57)「ツールと技法」は業務の中の使われ方をイメージする