それでは、各マネジメント・プロセス群の配置に沿って、PMBOKで説明されているマネジメント・プロセスの概要を上から下へ、順番にご説明します。
(図)マネジメント・プロセス
【立上げ】
まず、スポンサーのビジネスケースをインプットにして、立上げプロセスを実行します。主な内容はプロジェクト憲章作成です。
【計画】
プロジェクト憲章を前提に、計画プロセスを実行します。計画プロセスは10の知識エリアすべてにわたります。計画プロセスの成果物として、プロジェクト・マネジメント計画書が作成されます。プロジェクト・マネジメント計画書は、さまざまなプロジェクトについての計画書で構成されています。
【実行】
計画書にしたがってプロジェクトそのものが開始され、プロジェクト・チームメンバーの協力によって、実行されてゆきます。そのパフォーマンスはEVM値をベースとして定期的に報告されます。
【監視・コントロール】
実行中は計画との乖離が無いかどうか、監視・コントロールプロセスで追跡します。実行中の計画との乖離は随時調整され、進捗、コスト、品質、その他のベースラインへの復帰が行われますが、場合によっては、ベースラインそのものの変更が必要となる場合もあります。変更管理委員会で承認された変更に基づいてプロジェクトはゴールに向かって継続してゆきます。
【終結】
顧客の要求事項を全て満たしていることを確認して、プロジェクトは終結し、プロジェクトの各種データは教訓という名前の組織のプロセス資産として次のプロジェクトに引き継がれてゆきます。
これはPMBOKに定義されているマネジメント・プロセスの流れです。世の中にはさまざまなプロジェクトがありますが、成功しているプロジェクトについては、多かれ少なかれ、またルール化されているかどうかにかかわらず、上記のプロジェクト・マネジメント・プロセスがきちんと実行されています。