プロダクト、サービス、所産の3点セットは、ガイドブック*に繰り返し登場します。
この、「所産」、という言葉に戸惑うPMP試験の受験生がも多いのでは。
通常のプロジェクトはもちろん、一般社会でも、筆者の経験上、「所産」という言葉を仕事の中で聞いたことがありません。
「所産」という時をジッと見つめてていても、まったくイメージがわかないのです。

*プロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK@ガイド)第6版

 

ガイドブックではどのように書かれているか

ガイドブックの最初の方に出てくる文章を、本家の英文のガイドブックと対比してみます。

1.2.1 プロジェクト
プロジェクトとは、独自のプロダクト、サービス、所産を創造するために実施する、有期性のある業務である。

1.2.1 PROJECTS
A project is a temporary endeavour undertaken to create a unique product, service, or result.

どうやら、「所産」 とは “result” の訳であるらしいことはわかります。

「所産」は、プロダクト、サービスと並べて記述されているので、「プロダクト」、「サービス」とは違う性格のものらしい。
が、それ以上はわからない。

実は、知識体系ガイドの巻末 3.定義 に 「所産」がズバリ解説されています。

 

「成果物」と「所産」の定義による違い

ガイドブックには以下のように記載されています。

所産(Result)
プロジェクトマネジメントのプロセスとアクティビティを実行して得られるアウトプット。所産には成果(例:統合されたシステム、改定されたプロセス、再構築された組織、テスト、トレーニングを受けた要員など)と文書(例:方針書、計画書、調査報告書、手続き書、仕様書、報告書)がある。

“成果物も参照”、とあるのでそちらを見てみます。

成果物(Deliverable)
プロセス、フェーズ、またはプロジェクトを完了するために生成することが求められる固有で検証可能なプロダクト、所産、またはサービス遂行能力。

う~む。所産の中に成果物らしきものが含まれていて、成果物には「所産」を含む、ときっちり書き込まれている。これでは相互参照だ。
謎は一層深まるようにも思える。

・・・が!

 

成果物 ⇒ Deliverable ⇒ 納品物

オリジナルの英単語は、成果物 ⇒ Deliverable 、所産 ⇒ Result と書かれているではないかっ!(と、興奮するようなことではないが)ヒントはここにありました。

Deliverable は、「納品物」や「顧客に届ける成果物や提出物」を意味する単語です。
一方、Result には納品という概念は無い。つまり、「所産」とは、デリバリしない、顧客には届けないが、開発チームの中で作成され使用されたもの、ということになります。

どうやら Result=所産 とは、プロジェクトで必要なので作成したけれど顧客には提出しないもの、という理解で間違いなさそうです。

となると、ぐっと、イメージが湧いてくるではありませんか。

もちろん、個々のプロジェクトによって若干の違いはあるでしょう。
あるプロジェクトでは “Result” だが、あるプロジェクトでは “Deliverable” として納品を要求されるケースもあるかも。
一般的な受託開発のITプロジェクトの例で考えると、以下ように考えておけば不都合はありません。
以下に例を示します。試験までに時間があれば、皆さんも考えてみてください。

(例)

成果物 ⇒
・要件定義書、基本設計、詳細設計書
・フレームワーク、ソフトウエア部品
・プログラムソース、実行オブジェクト
・テスト計画書、テスト仕様書、シナリオ、テスト結果報告書
・移行手順書、トレーニングマニュアル、操作マニュアル

所産 ⇒
・ベンダーやパートナーからの見積書
・エンドユーザーとのインタビュー結果
・画面キャプチャなどの試験エビデンス
・バグの収束曲線やテスト消化曲線
・要員別の不具合発生率リスト
・開発チームの内部リスク管理表
・開発チームの内部不具合管理表
・フレームワークに関する技術資料
・データベース・ベンダーからの障害管理票
・社内キックオフ、出荷確認会議などの議事録

(追記)
ネットを調べていたら、たまたま、Deliverablesについてわかりやすく説明しているページがありました。⇒ こちらです。

(49)ナゾの言葉「所産」についてズバリ解説
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