PMI日本支部の公式ページで、2015年 8月14日付けのPMIからの情報として、PMP®試験内容変更について以下の内容が公表されています。これによって ”現在のPMP®試験は2016年1月11日まで提供される”ことになりました(当初は2015年11月1日までの予定だったものが、延期されています)。

なお、新しく変更されたPMP®試験の内容はPMI.orgのサイト、PMP® exam is changing in 2016で確認することができます。動画(英語)による説明は以下で見ることができます。
http://www.brainshark.com/pmiorg/2015PMPExamChange
PMIからの案内ページ(PDF)はこちらです。

【変更のポイント】

PMP試験に大きな影響を与えるRDS(A Role Delineation Study:PMPに求められる役割や必要な知識を特定する為の調査)の結果を反映して、今回、いくつかのタスクが削除され、かわりに8つのタスクが追加になっています。これらはPMBOK自体の今後の変化の方向性を示唆していて大変興味深いものがあります。PMIのサイトのFAQで公表されている主な相違点は以下のとおりでです。

(1)ビジネス戦略とそれによって実現される利益の実現
(2)ビジネスチャンスの視点から見たリスク管理
(3)ステークホルダーに対する交渉や戦略の強化
(4)教訓(lessons learned)への新たなフォーカス

(1)(2)については、従来はプロジェクト・マネジメントの領域というより、むしろビジネス・アナリシスの視点で語られることが多かったテーマです。そもそも、開発原価見積りを開発部門のプロマネにおんぶにだっこしてもらいながら、自分の言葉のように話しても、数分のQ&Aで顧客PMからは底の浅さは透けて見えます。一方、開発プロマネ側も、実は顧客のビジネス戦略なんて関心のない人が大多数ではないですか?ビジネス目的を理解しないで、実装仕事のPLだけ見てて最適解なんてわかるんだろうか?っていうことは、やっぱりRDSにも現れていて、「今回の小さな大変化」に結びついたのでしょう。

(3)については、8つの追加タスクの内、6つを占めており、今回の変更の大きなポイントであることは間違いありません。そもそもPMBOK第4版「期待のマネジメント」が第5版で削除され、「ステーク・ホルダー・エンゲージド・マネジメント」というプロセスが追加になった経緯がありますが、今回は、このステークホルダー・マネジメントの知識エリアに大幅な見直しを加え、関連タスクが統合されたものとなっています。

また、(4)については、”やりっぱなし”や、きれいな教訓ライブラリを”作りっぱなし”、ではなく、正味のプロセス資産として活用してゆく為のプロセスが整理されています。

いずれにしても、変更が予想された内容で、日ごろから問題意識を持って準備しておくことで、仮に来年以降の受験となった場合にも、十分対応が可能な範囲の変更だと思われます。

【追加されるタスク】

(ドメイン1)立上げ

■タスク2:[ビジネス要件に基づく成果物の特定] 顧客の期待を管理する為に、ビジネス要件に基づく主要な成果物を特定し、プロジェクトのゴールが達成できるように指示する
■タスク7:[便益分析によるプロジェクトのビジネス価値と組織戦略の整合] 関係するステークホルダーとともに便益分析を実施し組織戦略とプロジェクトに期待されるビジネス価値との整合性を検証する
■タスク8:[プロジェクト憲章のステークホルダーへの通知による共通理解] ステークホルダーに対して承認済のプロジェクト憲章を通知し、主要な成果物、マイルストーン、役割と責任についての共通理解を確実なものにする

(ドメイン2)計画

■タスク13:[ステークホルダーの期待の管理によるマネジメント計画作成] プロジェクトの意思決定に深く関与させる為に、ステークホルダーの期待を効果的に管理し、彼らのニーズ、関心事、潜在的なインパクトを分析し、ステークホルダー・マネジメント計画を作成する

(ドメイン3)実行

■タスク6:[コミュニケーション計画によるステークホルダーへの情報提供の管理] コミュニケーション計画をフォローし情報のフローを管理することで、ステークホルダーへの不断の情報提供とプロジェクトへの関与を確実なものにする

■タスク7:[ステークホルダー・マネジメント計画によるステークホルダーとの関係維持] ステークホルダー・マネジメント計画のフォローによりステークホルダーとの関係を維持し続けることで、継続的な支持と期待のマネジメントを実現する

(ドメイン4)監視・コントロール

■タスク6:[教訓マネジメントによる継続的な改善] 教訓マネジメントを用いて、教訓の取得、分析、管理を行い、継続的な改善を可能にする
■タスク7:[調達計画によるアクティビティ監視] 調達計画に沿って調達アクティビティを監視し、プロジェクト目的への適合性を検証する

(参照)PMP® exam is changing in 2016 翻訳は豆検

2016年1月以降の PMP®試験内容変更について