(34)アクティビティ所要期間見積り

新規プロジェクトの作業概要が明確になり、その作業の順番が見えてきて、必要な資源(リソース)がほぼ想定できたら、それらを前提にして、いよいよプロジェクトを完了させる上で必要な作業期間の見積りに入ります。タイム・マネジメントの知識領域では最も重要なプロセスと言っても過言ではありません。

この「アクティビティ所要期間見積り」の作業には、見積り対象となるタスク自体を熟知しているメンバーを巻き込みましょう。スケジュールにリアリティが加わります。実績スケジュールと机上の計画値はしばしば大きく乖離して、調整が後にゆくほど困難になります。

また「アクティビティ所要期間見積り」は、”段階的に詳細化されるもの” です。たとえば、設計作業を通じて、より正確で詳細なインプット・データが手に入いると期間見積りの正確さも増します。それらは適切にアップデートされなければなりません。

(インプット)

アクティビティの作業スコープ、必要な資源の種類、資源カレンダーなどの情報がインプットとして用いられます。

「アクティビティ資源要求事項」は、前述のアクティビティ資源見積りのアウトプットです。これには、資源見積りの根拠や種類、可用性、前提条件などが含まれます。たとえばエンジニアの必要とされる技術領域やレベルなどが該当します。この項目を軽視すると成果物の品質や生産性が低下したり、訓練や調整期間が増大するなど、プロジェクトのスケジュールに大きなインパクトを与えかねません。

「資源ブレークダウン・ストラクチャー」は、リソース(資源)を類型別に階層構造にして示した図表のこと。

「リスク登録簿」にはスケジュールに影響を与えそうなリスク項目や制約事項が記述されています。

・スケジュール・マネジメント計画書
・アクティビティ・リスト
・アクティビティ属性
・アクティビティ資源要求
・資源カレンダー
・プロジェクト・スコープ記述書
・リスク登録簿
・資源ブレークダウン・ストラクチャー
・組織体の環境要因
・組織のプロセス資産

(ツールと技法)

アクティビティ所要期間見積りのツールと技法には、試験でよく出題されるいくつかの項目を含みます。まとめて次回、記憶必須のポイントをご説明します。

・専門家の判断
・類推見積り
・パラメトリック見積り
・三点見積り
・グループ意思決定技法
・予備設定分析

(アウトプット)

・アクティビティ所要期間見積り
・プロジェクト文書更新版

作業を熟知しているメンバーであっても、プロジェクト初期段階の情報は限定されています。段階的詳細化が宿命のプロセスなので、ある程度はやむをえないものの、それらを不明確なまま放置せず、リスクマネジメント・プロセスで定性的、定量的に分析し、可能な限り見えるようにしなければなりません。

しばしば不確定なインプット情報は、リスクの特定もされず分析も行われず水増し工数に姿を変え、アウトプットに紛れ込みます。良く見うけられるのが業者の見積りを評価せず(できず)、ザックリ乗せてきた水増し分を検証もせず丸呑みすることです。

“根拠の薄い作業工程の水増しは、リスク分析を経て決定された予備費とは異なるもの” です。批判を浴びた某国立の体育施設の例に見られるとおり、水増しは母体組織の財務にインパクトを与えます。コスト高の痛みを”中の人”の誰も切実に感じていないのであれば、デザイン理由によるコスト高以前の組織構造的な問題がありそうです。

「アクティビティ所要期間見積り」を概観する図をPDFで以下に置きました。ダウンロードしてご利用ください。

6.5_アクティビティ所要期間見積り_ITTO_20150812

※ 本資料はプロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK® Guide)第5版 (A Guide to the Project Management Body of Knowledge)に準拠しています。PMI, PMBOK Guide, PMP は、プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute,Inc.)の、Microsoft ProjectはMicrosoft Corporationの登録商標です。

(34)アクティビティ所要期間見積りITTO

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