アクティビティ定義は、見積り対象となっているプロジェクトに具体的にどんなタスクがあるかを特定するプロセスです。WBSのワークパッケージが比較的粒度の粗い作業グループを対象にしているのに対して、アクティビティ定義で特定される作業の単位は、ワークパッケージをさらに実際に見積り可能なレベルの作業まで細分化したものです。
アクティビティとワークパッケージの違いは単純で明確です。

●アクティビティ ⇒ 作業スケジュールの見積り、コスト見積り、実行時の監視とコントロールの単位
●ワークパッケージ ⇒ アクティビティをグループ化したもの

ワークパッケージでいう「作業」とは、アクティビティ(作業そのもの)を示すのではなくて、アクティビティの結果である「作業プロダクト」、または「成果物」のことを指しています。つまり「作業」によってもたらされるもの、を意味しています。

(インプット)

インプット情報は次のとおりです。

・スケジュール・マネジメント計画書
・スコープ・ベースライン
・組織体の環境要因
・組織のプロセス資産

スコープ・ベースラインとして記載されているものは、「プロジェクトのWBS」、「成果物」、「制約条件および前提条件」があります。いずれも、計画作成や見積り作業には絶対に欠かせないものです。

組織のプロセス資産には、過去の同様のプロジェクトで使用されたアクティビティ・リストが記載されたドキュメントが含まれます。また、アクティビティ定義について標準化されたプロセスや、手順、ガイドラインがあれば参照できます。組織で利用されている既存の書式は、たいていは見た目も陳腐で最新の環境に追随できていないリスクがある一方、漏れが少なく構成に大きな破綻がありません。自分で管理書式の設計をするとわかりますが、大変な労力と精神的な負担がかかります。大勢の人間に利用されている書式はできるだけ参照して再利用するか、最新の品質管理ツールを利用した方が賢明です。

(ツールと技法)

ツールと技法は、「要素分解」、「ローリング・ウエーブ計画法」、「専門家の判断」です。
WBSとアクティビティ・リストの関係は、一般に遂次的ですが、場合によっては作業に並行していったりきたりしながら精度を上げてゆきます。「要素分解」とはWBS内の各パッケージを、成果物を作成するために必要なアクティビティに分解することです。机上(PC上の)一人での計画作りではなく、実作業の詳細を把握しているチームメンバーと一緒に作成すると現実的で精度の高い計画が作れます。

(アウトプット)

アウトプットは「アクティビティ・リスト」、「アクティビティ属性」、「マイルストーン・リスト」の3つです。
「アクティビティ・リスト」には、アクティビティの識別子(アクティビティを識別するコード)とともに、チーム・メンバーの作業範囲を詳細に記述すること。名称はユニークにしておきます。

「アクティビティ識別子」に含まれるもの
・アクティビティ・コード
・アクティビティ記述
・先行アクティビティ
・後続アクティビティ
・論理的順序関係
・リードとラグ
・資源要求事項
・指定日
・制約条件
・前提条件

これらの項目は標準的なプロジェクト管理ソフト(Microsoft Projectとか)を利用してスケジュールや計画を作成していれば特に意識する必要はありません。
「マイルストーン・リスト」のマイルストーンとは、顧客指定の納期や、社内の出荷判定会議など、重要なイベントや時点を表すものです。ピンポイントで特定の時点を表すので、マイルストーン所要期間はゼロです。

アクティビティ定義プロセスを概観する図をPDFで以下に置きました。ダウンロードしてご利用ください。

6.2_アクティビティ定義_ITTO_20150722

※ 本資料はプロジェクトマネジメント知識体系ガイド(PMBOK® Guide)第5版 (A Guide to the Project Management Body of Knowledge)に準拠しています。PMI, PMBOK Guide, PMP は、プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute,Inc.)の、Microsoft ProjectはMicrosoft Corporationの登録商標です。

(30)アクティビティ定義ITTO

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